No Gain without Pains

自動車関連エンジニアによる読書のすゝめ

【おすすめ本】数学が苦手な人におすすめ!天才脳科学者が教える数学脳とは?!

数学嫌いの人のためのすべてを可能にする数学脳のつくり方 苫米地英人

学生時代、理系でありながら数学・物理が苦手だった自分にとって、この本は考え方を思いっきり変えてくれた本でした。

全米屈指の大学であるカーネギーメロン大学で計算機科学の博士号をとった著者は、いわゆる数学のプロフェッショナルと言ってもいいと思うのですが、そんな苫米地博士が、数学とは何か?数学的な考え方とは?を教えてくれます。

自分と同じように、公式を見るだけで眠たくなるようは人は必見です。

それでは、あらすじと私の所感を紹介していきます。

●数学がわからないとはどういう事か?

自分もそうですが、数学に苦手意識をもっている人って、数式が苦手なんだと思うんです。数学の概念はおもしろいと思うんですが、数式が出てきた途端に拒絶反応を起こしてしまったりします。

でも、著者は数式は数学ではないと言っています。

数式は、数学者同士でわかりやすく会話できるようにした数学宇宙の言語であると。

数式がわからないというのは、フランス語がわからないのと同じ事なんだと。

フランス語がわからなくてもフランス人の考えを知ろうと思えば、日本語に翻訳されているフランス文学などを読めばいいだけの事。

逆に、フランス語がわかっても、フランス人の考えがわかるかと言えば、そうとも限らない。

だからそこは重要ではないのです。

数学のコンテンツを学ぶのに、数式を理解する必要はなかったのです。

数式が意味するところを数学に詳しい人に通訳してもらえばよいだけだったのです。

そうやって言われると、ちょっと楽になった気がします。

でも、それをやってくれている数学の本ってなかなかないんですよね・・・。

そこで、苫米地博士はいくつかの例を挙げて説明してくれていますので、興味のある方は是非読んでみてください。

●数学とは問題を見つける事である

どうしても日本の教育で育っていると、数学は問題を解くツールであると考えてしまいがちですが、本来、この世のだれも知らない問題を見つける事こそが数学の醍醐味なんです。

もちろん、問題を解くツールとしての存在価値もあるのですが、本質的には問題を見つけるのが数学的考え方であると論じています。

例えば、この本でも出てきますが、以前このブログでも紹介した「フェルマーの最終定理」は、フェルマーが数学世界の中にこんな不思議な法則を見つけてしまったという所がおもしろいのであり、ワイルズの証明は確かにすごい偉業なのですが、問題をみつけたフェルマーが数学的には偉大と言う事なんです。

●コンピュータの悩み

コンピュータは悩まない?

いやいや、よくフリーズしているじゃないですか?

そう、コンピュータも悩むんです。

矛盾したプログラムが干渉すると、悩んで、悩みすぎてフリーズしてしまうんです。

これは人間も一緒

自分の中で矛盾した考えがバッティングすると、悩みになって、中々前に進まなくなります。

そんな時、コンピュータなら強制終了させてしまいますが、人間ならどうでしょう?

同じように、一旦忘れて、クリアにしてやれば前に進めるんです。

これから悩んだら、「今、どの考え(プログラム)と、どの考え(プログラム)が干渉していて悩んでいるんだ?」と冷静に考えて、処理できればいいし、難しそうなら一旦クリアにしてしまうのもありなんだと思いました。

そして、処理する際に重要なのがプリンシプル(原理原則)ということです。

自分の中でその行動に対する原理原則の考えをもっていれば、悩んだ時にそこに立ち帰って考えれば、どの考えを採用すればよいのか自ずと見えてくるし、それが数学的な考え方でもあるのです。

 

本当に頭のいい人は、難しい事を相手がわかるように例え話をうまく使いながら説明するのがうまいと思います。

難しい事を難しそうに話しているうちは、まだまだという事でしょうね。