No Gain without Pains

自動車関連エンジニアによる読書のすゝめ

【おすすめ本】ゲシュタルトとは何か?この本を読んでゲシュタルト能力に目覚めよう!

●圧倒的な価値を創る技術ゲシュタルトメーカー」 苫米地英人 

日本が元来得意であったはずの「ゲシュタルト」能力

それは抽象的思考から価値を創造すること

工学が得意な日本は、その能力がゆえに、自動車などの分野で欧米よりも後発でありながら、欧米を凌駕するほどの価値を創造し、成功を納めてきた・・・

そんな日本は、現在ちまたで言われているように危機的な状況なのか?

その辺を苫米地博士独特の言い回しで解説しつつ、ゲシュタルト能力を養う為の方法を提案してくれます。

ゲシュタルトとは?

そもそもゲシュタルトとはなんでしょう?

苫米地博士の著書で頻繁に出てくる用語ですが、一般的に使われる言葉ではありませんよね。

元々は心理学用語っぽいのですが、超簡単に私の理解で言うと、

「全体感」

みたいな感じではないかと思います。

例えば、文字は、線や点の集合として構成されていますが、部分で見ればただの線や点で、意味をなしません。

しかし、それが文字として全体を形成すると意味を成すことができます。

私たちの脳には文字のゲシュタルトが出来ているので、文字を線や点で認識せずに、文字として認識しています。

でも、ふとした瞬間に文字としてのゲシュタルトが一時的に壊れて、部分としての線や点としてしか認識できなくなり、全体の文字感が掴めなくなり、どうやって書くのかわからなくなる時がありませんか?

そういう現象をゲシュタルト崩壊というらしいのです。

つまり、ゲシュタルト能力というのは、いかに部分の集合を全体として捉えられるか?という能力というわけです。

そして、その部分が、一見関係ないと思われるもの同士であっても、ゲシュタルト能力が高ければ、一つの全体として捉えることができ、新たな価値を見出せるのです。

日本は、欧米が得意な科学で培われた様々な理論を繋ぎ合わせて、工学に応用し、新たな価値を創造することで世界と戦ってきたわけです。

●40歳までは就職するな

まさに今の自分の年齢です・・・。

もし、学生の時にこのように言われたらどうだったんだろう?

なんて考えたりしますが、著者の意図は

ゲシュタルト能力を訓練する為には、大学院で博士号をとるくらいまで勉強する(=知識を得る)必要があるということです

一見関係のない点と点を結び付ける為には、その為の素養が必要なのでしょう。

アップルの創業者であるスティーブ・ジョブズはこんな言葉でそれを表しています

「Connecting the dots」

 そう、まさに点と点を結び付けるという事ですね

 

さて、自分が今から大学で勉強するほどの行動力があるのかは置いておいて、少なくとも、2年前程前には興味も持っていなかった分野に対して興味を持つようになり、本を読み、知識を増やすことで多少はゲシュタルト能力が上がっていると自分に期待しています。 

また、こういう考えを持つことで、仕事をしながらでも、今までは視えなかったチャンスが視えるようになったと思います。

具体例で言えば、会社で、ある研修の案内が来たのですが、今までであれば受講することを考えもしなかった内容なのに、今回は、必要性を感じて、自ら受講を希望しました。

人それぞれの置かれた環境によってゲシュタルト能力を上げる手段は違うと思うので、自分に都合のいいように捉えて、結果、新たな価値を創造できる人間になれることを夢みています。

このブログも、もしかしたらその一つかも?

 ●円高でもトヨタは損をしない?

最後に、気になる事が書かれていたので紹介します。

なんと、円高でもトヨタは損をしないとのことです。

え?!

だって、円高になったらトヨタをはじめとする輸出企業は大打撃を受けるなんてニュースはしょっちゅう耳にしますよね。

苫米地博士曰く

確かに国内原価は円高で上がるが、海外原価(例えば、港からユーザーに届くまでの流通費用)は下がるわけだから、相殺されて損はしない。

トヨタみたいな大企業の財務担当が、これくらいの為替リスクヘッジをしていないなんて考えられない。とのことでした。

確かに、言われてみればそうなんですけど、海外原価の全体の原価に占める割合が少なければやっぱり損しそうな気が・・・。

これから、こういうニュースが流れたら注意深く読む必要がありそうです。

 

さて、いかがだったでしょうか?

この本に書かれていることをすぐ実行できる人はなかなかいないと思います。

でも、「ゲシュタルト」に関しては、すごく理解できる概念で、色々な場面や分野で適用できるものではないでしょうか?

何かアイデアが欲しい時に、ちょっと抽象度を上げて、物事を俯瞰し、ゲシュタルトしてみてはいかがでしょうか?

【おすすめ本】数学が苦手な人におすすめ!天才脳科学者が教える数学脳とは?!

数学嫌いの人のためのすべてを可能にする数学脳のつくり方 苫米地英人

学生時代、理系でありながら数学・物理が苦手だった自分にとって、この本は考え方を思いっきり変えてくれた本でした。

全米屈指の大学であるカーネギーメロン大学で計算機科学の博士号をとった著者は、いわゆる数学のプロフェッショナルと言ってもいいと思うのですが、そんな苫米地博士が、数学とは何か?数学的な考え方とは?を教えてくれます。

自分と同じように、公式を見るだけで眠たくなるようは人は必見です。

それでは、あらすじと私の所感を紹介していきます。

●数学がわからないとはどういう事か?

自分もそうですが、数学に苦手意識をもっている人って、数式が苦手なんだと思うんです。数学の概念はおもしろいと思うんですが、数式が出てきた途端に拒絶反応を起こしてしまったりします。

でも、著者は数式は数学ではないと言っています。

数式は、数学者同士でわかりやすく会話できるようにした数学宇宙の言語であると。

数式がわからないというのは、フランス語がわからないのと同じ事なんだと。

フランス語がわからなくてもフランス人の考えを知ろうと思えば、日本語に翻訳されているフランス文学などを読めばいいだけの事。

逆に、フランス語がわかっても、フランス人の考えがわかるかと言えば、そうとも限らない。

だからそこは重要ではないのです。

数学のコンテンツを学ぶのに、数式を理解する必要はなかったのです。

数式が意味するところを数学に詳しい人に通訳してもらえばよいだけだったのです。

そうやって言われると、ちょっと楽になった気がします。

でも、それをやってくれている数学の本ってなかなかないんですよね・・・。

そこで、苫米地博士はいくつかの例を挙げて説明してくれていますので、興味のある方は是非読んでみてください。

●数学とは問題を見つける事である

どうしても日本の教育で育っていると、数学は問題を解くツールであると考えてしまいがちですが、本来、この世のだれも知らない問題を見つける事こそが数学の醍醐味なんです。

もちろん、問題を解くツールとしての存在価値もあるのですが、本質的には問題を見つけるのが数学的考え方であると論じています。

例えば、この本でも出てきますが、以前このブログでも紹介した「フェルマーの最終定理」は、フェルマーが数学世界の中にこんな不思議な法則を見つけてしまったという所がおもしろいのであり、ワイルズの証明は確かにすごい偉業なのですが、問題をみつけたフェルマーが数学的には偉大と言う事なんです。

●コンピュータの悩み

コンピュータは悩まない?

いやいや、よくフリーズしているじゃないですか?

そう、コンピュータも悩むんです。

矛盾したプログラムが干渉すると、悩んで、悩みすぎてフリーズしてしまうんです。

これは人間も一緒

自分の中で矛盾した考えがバッティングすると、悩みになって、中々前に進まなくなります。

そんな時、コンピュータなら強制終了させてしまいますが、人間ならどうでしょう?

同じように、一旦忘れて、クリアにしてやれば前に進めるんです。

これから悩んだら、「今、どの考え(プログラム)と、どの考え(プログラム)が干渉していて悩んでいるんだ?」と冷静に考えて、処理できればいいし、難しそうなら一旦クリアにしてしまうのもありなんだと思いました。

そして、処理する際に重要なのがプリンシプル(原理原則)ということです。

自分の中でその行動に対する原理原則の考えをもっていれば、悩んだ時にそこに立ち帰って考えれば、どの考えを採用すればよいのか自ずと見えてくるし、それが数学的な考え方でもあるのです。

 

本当に頭のいい人は、難しい事を相手がわかるように例え話をうまく使いながら説明するのがうまいと思います。

難しい事を難しそうに話しているうちは、まだまだという事でしょうね。

【おすすめ本】生命とは何か?最先端の分子生物学が描く生命観とは?人類最大の謎に迫る「動的平衡」シリーズ

生命とは何か?

そんな根源的な問いに対する筆者の一つのこたえが

動的平衡

である。

筆者がこの「動的平衡」論に至ったヒストリーから最新の分子生物学が何を示しているのか?まで、知的興奮を味わえる4冊をいっきにご紹介します。

生物と無生物のあいだ    福岡伸一

 

福岡先生のベストセラーとなった本書。

分子生物学全盛の現代に、その黎明期がどんなであったか、また、そんな時代を研究者として過ごしてきた筆者が考える生命観とは?

筆者である福岡先生の科学者とは思えないくらい綺麗な文章が、「生物とは何か?」を提唱しています。

●DNAの発見からそのメカニズムまで

生物の話をするときにDNAを理解していないと内容が理解できないであろうこともあって、DNA発見の歴史を、それにまつわる科学者たちのストーリーと織り交ぜて紹介しています。

●生命とは何か?

そして物語はここから核心に入っていきます。

「生命とは何か?」

この問いは量子論を築き上げた天才物理学者の一人、エルヴィン・シュレーディンガーが1944年に書いた「What is life?」から始まっています。

その中で個人的に非常に興味深く読ませてもらったのが、「平方根の法則」

実はこの法則を初めて知ったのは週間少年ジャンプで連載をしていた「トリコ」というマンガの中でした。

このマンガの中で、あるキャラクターの必殺技が「平方根の法則」を使った「マイノリティーワールド」という技で、相手のマジョリティとマイノリティを逆転させてしまうというものでした。

その技の説明で出てきた平方根の法則に興味を持ち、そんな法則が本当にあるのか?という疑問をもちながら過ごしていた所に、この本で本当に出てきたので、「マジか!」という思いでした。

それは統計的な法則らしいのですが、シュレーディンガーはこんな問いをしています。

「原子はなぜそんなに小さいのか?」

それは逆に言えば、「生物はなぜそんなに大きいのか?」と同義です。

それは、平方根の法則に支配される物質が、少ない構成数で生物を形成していれば何が起こるか?を考えれば視えてきます。

平方根の法則は、「その数の平方根の数だけは、他と違った振る舞いをする」といった統計的な法則ですから、そのベースの数が小さければ小さいほど全体が受ける影響が大きくなることが想像できます。

逆に生物として全体が秩序だって統制された状態を保つ為には、全数を大きくして、平方根の法則で異常な振る舞いをする原子の全体からの割合を減らす必要があるのです。

これは目から鱗でした。

動的平衡という生命観

そして、ついに福岡先生は動的平衡という生命観にいきつきます。

その考えにいたった大きな出来事としてルドルフ・シェーンハイマーという科学者が成功させたある実験について書かれています。

その実験の結果から言えることは、生物の細胞を形作っているタンパク質は、常に食物から摂取されるタンパク質と入れ替わっているということでした。

そう、私たちの身体は、数か月もすれば全く違うモノにすり替わっているのです。

外から見れば変化はなく、静的に平衡を保っているように見えても、ミクロの世界では常に壊して作り直す作業が繰り返されているのです。

そして、その状態のことを筆者は動的平衡と呼んだのでした。

この「動的平衡」という考えを元に福岡先生の生命観は展開されていきます。

動的平衡 生命はなぜそこに宿るのか  福岡伸一

前著「生物と無生物のあいだ」の続編と捉えて問題ないでしょう。

ここから本格的に福岡先生の動的平衡論が展開されていきます。 

●人間が学ぶ事の意味

まずは、記憶のメカニズムについて、その研究の歴史から現在わかっている所までを紐解いていきます。

そして、我々の脳が認識しているものは、本当にそこにあるものではない事が多いという事。

つまりバイアスがかかってしまっており、そのものを見ていない可能性があることを意味している。

福岡先生は、そこに人間が学ぶ事の意味があると説いています。

要するに、科学を学ぶ事によって、物事を客観的に視ることができるようになり、直観というバイアスを出来る限り外す事で真実に近づく事ができるという事。

確かにその通りだと思います。

でも、学ぶ事によってかかってしまうバイアスもあったりするんですよね

だから、出来る限り広い分野を学ぶ事で特定のバイアスがかかるのを防ぎ、真実を読み取る目を養いなさいということだと捉えています。

●身体は食べたモノでしか出来ていない

前著「生物と無生物のあいだ」でも出てきましたが、生物の身体を形作っている細胞は、食物として食べたタンパク質でできている。

細胞は常に自分を壊しながら、新たに取り入れたタンパク質をつかって再生しており、その為に生物は食べ続けなければならない。

そう考えると、自分が食べるものは大丈夫か?と考えてしまいます。

当然、食べたものがそのまま使われるわけではなく、消化の段階で、タンパク質はアミノ酸のレベルまでバラバラにされてから使われるので、同じなのかもしれないが、それでもやはり気になってしまいます。

それに対する警鐘は、本書でも遺伝子組み換え食品の例を取って挙げられていますが、やはり安全な食品にはそれなりのコストをかけなければいけないという事です。

一番重要な食にコストをかけない世の中の傾向に対しても著者は警鐘を鳴らしています。

●ダイエットを科学する

この本が出されたのが2009年ですが、この時既に、福岡先生は、現在メディアなどでよく言われている「食べ順ダイエット」や「GI値」といった概念の科学的説明を本書でしています。

カニズムがわかると効果も上がりそうな気がしてくるし、今、自分の血糖値が上がって膵臓インシュリンを出して、脂肪細胞が血糖を細胞に取り込もうとしているのか?と想像すると楽しくなってきます。

●万能細胞とガン細胞は表裏一体

そして、本書で自分が一番気になったのがこれです。

「万能細胞(ES細胞やiPS細胞)とガン細胞は表裏一体」

ES細胞とは、人工的に分化の時間軸を止められてしまった細胞で、まだ何者にもなれていないが、増殖だけする細胞。

ガン細胞は、何かの役割(心臓や肺など)をもった細胞が、何かの拍子にその役割を忘れて増殖だけする状態に戻ってしまった細胞。

そう考えると、ガンという病気は、他の病気と違って自らの細胞との闘いなわけです。

しかし、そこには「生命とは?」という問いに対するヒントが隠されているような気がしてなりません。 

動的平衡2 生命は自由になれるのか    福岡伸一 

前著「動的平衡」の続編です。

 ●遺伝は遺伝子が全てではない?!

遺伝子とは、生命の設計図なんて言ったりします。

それは間違いないのですが(正確にはタンパク質の設計図?)、では、同じ設計図であれば同じ生命となるのか?といったらそうではないらしい。

ヒトとサルの遺伝子の差はごくわずかであるらしいが、その差がヒトとサルの差を決定づけているわけではないと

遺伝子とは楽譜のようなもので、同じ楽譜でも演奏する人によって全く違う音楽になるように、生命も遺伝子の情報をもとに構成されるが、その情報の強弱、ON/OFFのタイミングを調整することで、その個体の生命として成立している。

このような考え方を「エピジェネティックス」というそうです。

●植物から動物へ

植物と動物の違いはなんだろうか?

そんな疑問に福岡先生は一つの仮説を立てています。

分子生物学的に言うと、動物には必須アミノ酸が存在するが、植物には存在しない。

必須アミノ酸とは、体内で生成できないアミノ酸のことで、ヒトには9種類の必須アミノ酸が存在し、それは食物からしか摂取することのできない栄養素である。

ということは、植物の方がすごいじゃん!

ってなります。

この一見退化のようにも見える動物の形態がなぜ形成されたのか?

そこに動物誕生の秘密が隠されているのではないか?という視点で動物誕生の秘密に福岡先生の仮説がせまります。

●時間を止めて見えるもの

研究とは、対象物の時間を止めて観察することから始まります。

そして研究者は、その止まった対象物を見て、そこで確認できる因果関係が全てだと思い込んでしまう。

しかし、本当はその前後に流れる時間を想像しなければならない。

我々エンジニアも、あるデータを見て、そこに視えた因果関係に引っ張られて全体が視えていない事がよくある。

福岡先生は、生命に「因果関係なんてものはなく、全ては関係性の中で成り立っている」と言っています。

それは、仏教の釈迦の思想でいうところの「縁起」に似ています。

自分が作用を及ぼしていると思った次の瞬間には作用を及ぼされていたりする。

つまり、一方向の関係ではなく、双方向の関係なのだと

それは、量子論で言う所の粒子と波の相補性にも似た感じなのでしょうか?

こういう議論ってどこか哲学的になってくるんですよね

●ニワトリが先か?卵が先か?

これと同じような謎が生命にもあるようで、

「DNAが先か?タンパク質が先か?」

といった謎である。

DNAはタンパク質の設計図だから、タンパク質はDNAがなければ作れない。

しかし、DNAはタンパク質でできており、DNAもタンパク質がなければ作れない。

このパラドックスの答はまだ謎であるが、本著では、RNAワールド仮説なるものが紹介されている。

RNAとは、DNAとタンパク質の間を橋渡しするメッセンジャー的な役割のものだが、そのRNAが太古の昔にはタンパク質の役割も担っていたのではないか?という仮説である。

詳細は本書を読んでいただきたいが、そんな生命誕生の秘密に頭を妄想させることができるのは、生命の中でも人間だけにしかできない楽しみでしょうね

●フェロモンの正体

虫の観察結果などによってフェロモンの存在が確かなことがわかっているようだ。

我々がフェロモンという言葉を使う時は、何か空気感的な感覚で使っているが、実際にそのような作用を及ぼす物質は存在し、人間も例外ではないという。

例えば、女性の生理が長く一緒に生活をしているとタイミングが合ってくるという「マクリントック効果」と呼ばれるものだ。

これは、脇の下から発せられる物質によるものらしい。

このような便利なフェロモンを生物が最も使いたがる時はいつだろうか?

それは、種の保存の時である。

当然、ムシ達もこのような用途で使うフェロモンをもっている。

ということは、人間にもあるだろうと思うのが筋である。

いまだ、そのフェロモンについてははっきりしたことはわかっていないらしいが、普段異性に対して、何か気になるとか、惹きつけられるとかいった現象は、実はそういう物質が関係しているのかもしれません。

●木を見て森を見ず

ここで、福岡先生は、昨今の国家的な活動となっているCO2削減について言及している。

まず、人間の活動で排出されるCO2は空気全体のボリュームに対して、相当に小さいので、それを多少削減したところで、CO2がどれだけ温暖化に影響を与えるのかというのは、感覚的には疑問が残るという事。

ただし、だからといって何もしないでよいということではなく、CO2の少しの増加が地球全体の動的平衡のバランスを崩し、どこかで大きな影響が表れる可能性に備えて、やれることはやったほうがよいというスタンスである。

まさに動的平衡を基本スタンスとする福岡先生らしい考えだ。

私もその選択肢もなくはないと考えているが、もう少し冷静に考えて、CO2を減らす事が本当によいことなのか?他にもっとやらなければいけない事がないだろうか?といった議論が必要だと考えている。

そう、まさに木に捕らわれすぎて森が視えていないのでは、逆に危険な選択をしていないか慎重に判断すべきだろう。

何よりも、上記のような科学的事実を一般の人がどれだけ正確にしっているのだろうか?

まずは、事実を知るところからスタートするべきだ。

出来る限りバイアスのかかっていないフラットな視線で

動的平衡3 チャンスは準備された心にのみ降り立つ  福岡伸一

福岡先生の動的平衡シリーズ第3弾!!

福岡先生が提唱する「動的平衡論」

それは、組織論や芸術論といったところまで拡張できるのか? 

●著者が考える組織論

動的平衡という生命の在り方に対する著者の考えを、組織を生命になぞらえて当てはめてみる。

この「考え」は、動的平衡シリーズを読むうちに自分にも芽生えていたものでした。

動的平衡とは、この世界の万物に働く法則「エントロピー増大の法則」に抗う為に生命が編み出した唯一の方法。

常にエントロピー(=乱雑さ)は増大する方向に進んでいくのに対し、それを強固に防ごうとするのではなく、エントロピーが増大するのを先回りして自らを壊し、増大したエントロピーを捨て去り、再構築することでエントロピーが増大するのを防ぐ。

では、組織をバーチャルな生命と捉えたらどうか?

組織も、その中身が固定化されるとマンネリ化し、やはりエントロピーが増大する。

それを防ぐために、常に新しい考えを導入し、組織を刷新し続けなければ、「死」いわゆる倒産がまっている。

本書では動的平衡論の組織論への拡張については意外なほどあっさりと書かれており、もう少し突っ込んで著者の考えを知りたかった所だが、私の考えとしては、時間の関数としてあるものは全て適用できそうな気がしている。

会社を代表とする組織も、当然時間の関数として存在している。

大きな会社になればなるほど組織はセクショナリズムが強くなり、どちらかというと、強固な、変化が困難な組織構造になりがちではないだろうか?

それは、一見エントロピーの増加に有効に見えて、実はもろい。

生命のように、各セクションが縦横のセクションと重なり合って平衡を保つような組織構造が、長く繁栄できるコツなのではないだろうか?

●老化とは何か?

早老症という病気がある。

よく、テレビ番組で特集が組まれているので知っている人も多いだろう。

そう、子供の年齢なのに老人のような見た目になってしまう病気。

この病気の原因は解明されており、それは、DNAを修復する仕組みに関わる遺伝子の異常だそうだ。

逆に言えば、それは老化のしくみがわかったという事でもあるのだろう。

老化とは、動的平衡論的に言えば、エントロピー増大の法則に少しづつ侵されていく状態。

そのエントロピー増大、ここで言えばDNAのコピーミスを修復するシステムを担う遺伝子が異常をきたすことによって老化が異常に促進されてしまう。

これが早老症である。

ということは、そのシステムを強化してやれば不老の夢もかなうのか?

いやいや、そんなに簡単に宇宙の大原則には抗えないんだろうな

●記憶が遺伝する?

記憶が遺伝する?なんてことはない。

しかし、本書に紹介されているマウスの実験によって、学習した記憶そのものではなく、「感度」みたいなものが遺伝される事がわかったそうである。

この事実はこの本の中で一番驚いた事かもしれない。

まだまだ記憶に関してはわかっていないことがたくさんあるので、これから徐々に解明されていくと思うと、ワクワクしてきます。

●「ガン」とはいったい何なのか?

人間にとって「ガン」とはいったい何なのか?

もちろん病気ではあるが、それ以前に生命とは何か?のヒントを与えてくれてはいないだろうか?

ガンは他の病気と違って、自らの細胞が暴走した結果である。

そして、万能細胞として知られるES細胞やiPS細胞は、ガン細胞と表裏の存在と言われている。

要するに細胞が分化される前の、役割を与えられていない状態の細胞。

最近の研究によってガン化した細胞を再び通常の役割を与えられた細胞に戻す事に成功したそうだ。今後のガン治療に期待できる成果だ。

福岡先生はこんな例えでガンを表現している。

「ガン細胞とは、中年のオヤジが、ふとした瞬間に自分の役割を忘れて自分探しの旅に出ているようなもの」だと

いい年して自分探しなどせずに、自分の役割を果たしなさい!と言われている気がしました。

●Chance favors the prepared mind

「チャンスは準備された心にのみ降り立つ」

この本の副題にもあるこの言葉

私は実感をもってこの言葉の重要性を感じています。

これは、このブログでも紹介させていただいた苫米地博士のスコトーマ理論にも通じる話。

スコトーマとは眼科用語で盲点の意味だそうで、機能脳科学では、脳は重要と認識したモノしか見えないという事らしい。

多くの人が実感している例で言えば、

車を購入する際、購入を検討している車種が急に街中で多くみかけるように感じる。なんて思ったことありませんか?

当然いきなりその車種が増えるなんて事はありえないので、それは、その人の脳の中でその車種の重要度が上がって、脳が認識するようになっただけなんです。

ということは、チャンスも色々なところに転がっているかもしれないのです。

ただ、それが視えているかどうかであって、それを視えるようにする為には、「準備」、要するに様々な事に興味をもって、色々な事の重要度を上げて、脳が認識できるようにしてあげる必要があるんだと。

そうすることで違う分野の物事と物事が繋がって、新しい事が出来たりするんでしょうね。

 

本書は、これまでの3冊とは少し違った目線で動的平衡論を展開していて、そこがまたおもしろかったりします。

今後も分子生物学が明らかにする世界から目が離せません。

【おすすめ本】現代のスピリチュアリズム文化にモノ申す!スピリチュアリズムの本性に迫る本

スピリチュアリズム  苫米地英人

現在は、この本が書かれた2007年に比べればスピリチュアルブームもだいぶ治まっていますが、確かに今思い出してみると、10年前くらいってそういう番組が多かった気がします。

そんな時代にスピリチュアルに対して正面から警鐘を鳴らしているこの本。

当時流行っていた江原啓之氏やオウム事件を題材に、スピリチュアリズムとは何なのか?何が危険なのか?を説いています。

他の苫米地博士の本とは若干趣向の違う内容で、新鮮な感じで非常に面白かったです。

●あらすじと所感

それでは、本のあらすじとそれを読んだ私の所感を紹介していきます。

●スピリチュアルとは何か?

スピリット=魂・霊魂がある事をベースにした考え方みたいなものでしょうか?

そして、スピリチュアリズムとは、その考えから発展して宗教的なものにいたったものと捉えられています。

「宗教だなんてそんな大げさな」と言う人もいるでしょう。

では、宗教とはなんなんでしょうか?

日本人は無宗教だなんて言われたりします。

自分も宗教心は全くないと思っています。

それでも、神社に行けば厳かな気持ちになったり、お賽銭を投げたりしています。

それは自分の心の中に刻み込まれた文化的な何かがあるからなのでしょう。

我々はその「何か」に縛られて行動したり考えたりしています。

その「何か」にスピリチュアル的な考え方が入れば、それは宗教と変わらないですよね。

そんな定義をしつつ、イギリスを発祥とするスピリチュアルの歴史的背景を追っていきます。

江原啓之氏に対して

苫米地博士は、この本で、一貫して批判的な立場をとっています。

それは江原氏個人に対する批判ではなく、「スピリチュアリズム」の考え方にはオウム真理教のようなカルトの教義に繋がる危険な考え方があるからなのです。

江原氏はそれを知らない可能性が高く、嘘をついて人を騙しているとは考えていないようです。

●生まれ変わり思想の危険な考え

生まれ変わり、つまり「輪廻転生」という考え方。

一見、危険な思想には見えないこの考え方ですが、実はオカルト宗教がテロ思想に繋げる危険な論理が入っているのです。

この輪廻転生という考えにはセットで「業(カルマ)」という考えがついてきます。

現世で苦しいのは、前世で悪行を働いたからだ

現世で苦しければ苦しいほど、魂は磨かれて、来世は幸せになれる

といった考えです。どこかで聞いたことがあるでしょう。

この考えには現世利益というものはありません。

要は生まれた時から前世のカルマを背負っているので、来世の為に苦しまなければならないという考えなのです。

これはすなわち絶対的な差別につながると苫米地博士は説いています。

つまりインドのカースト制に代表されるように、生まれた時の身分は固定的で、下の身分の人は来世の為に死ぬまで苦しんだ方がよいという思想なのです。

そのような思想が浸透しているインドでは、下の身分の人が自ら率先して苦しんだ方が良いと考えているので、現代になっても制度がなくならないのもうなづけます。

そして、悪い人(オカルト的な考えの人からみて)は苦しませて殺してあげた方が来世で幸せになれると解釈してしまえば、自分たちとは違う思想をもった悪い人は殺してあげた方がよいといった危険な思想に繋がるのです。

自分もTV等で「輪廻転生」等の宗教的な考え方を耳にする機会がありましたが、その時は気にすることもなく聞き流していたのですが、上記のような論理的帰結を見せられると、なぜオウム真理教があのような一連の事件起こしたのか?少しだけわかった気がしました。

そして、スピリチュアリズムにはこの思想と全く同じ思想が組み込まれているのです。

ちょっと見る目が変わってきませんか?

●仏教哲学と科学

最後に苫米地博士は科学者として江原氏の言葉に対峙しています。

江原氏は「科学という信仰の妄信」という言葉で科学を批判していますが、それに対して博士は、科学者とは信仰しないものであると返しています。

数学世界の不完全性定理量子論が明らかにした不確定性原理からいっても科学は万能ではないことが証明されています。

しかし、知識を全力で使って、検証可能な論理で物事を明らかにしていく、そして、常に自分の考えは正しいのだろうか?と検証していく姿勢を持つものが科学者なのだと。

検証不可能な宗教的論理に逃げないのだと

そして、現代科学が明らかにしてきた事は、2500年も前に釈迦が悟った事と同じであったというのです。

博士はこの本でも釈迦の思想をスピリチュアリズムの思想と対比して紹介しています。

自分も宗教としてではなく、哲学としての仏教、釈迦の思想を学んでみたいと思いました。

メカ好きにはたまらない!おすすめの機械式時計をご紹介

●電動化の時代にあえて機械式時計を選ぶ

機械式時計って何が魅力なんでしょう?

よく、某掲示板サイト等で話題になる「腕時計論争」

・時間なんてスマホ見ればわかるじゃん派

・やっぱステータスでしょ派

時計の「時間を知る」という機能に焦点をあててみれば、腕時計の役目はとうの昔に終えているのかもしれません。

確かに時間を知りたければスマホを見れば事足りますね。

でもそれは、例えば服の機能である「外気から身を守る」であったり、もう少し進んで「大事なところを隠す」といった役割を考えれば、極端な話、なんでもいいわけです。

だけどそこにファッションという新しい機能を創造することで、そこに価値が生まれ、服は新たな価値を与えられるわけです。

腕時計も「時間を知る」という根源的な機能にステータスやファッション、芸術性といった新しい価値を生み出して、そこに価値を認める人が楽しんでいると思えばいいのではないでしょうか?

その中でも機械式時計は、その価格の高さから、ステータス性が求められる商品でしょう

●ブライトリングというブランド

私も13年前、結婚する時に嫁様からお返しにいただいたのが機械式時計で、迷いに迷って選んだのがブライトリングのコルトオートマチックⅡという時計です(下写真)。

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天邪鬼な性格なのか、ロレックスやオメガといった超有名処は何となくイヤだったので、このブライトリングを選びました。

ブライトリングも有名ですけどね。

このブライトリングというブランド、ユーザーに対してのおもてなしの精神がすごく、正規品を購入すると

  1. メンバーズマガジンが送られてくる
  2. オーバーホールやメンテナンスが安く受けられる
  3. 年一回開催されるメンバーズサロンに無料で招待される。

といった特典がついてくるのです。

ちなみに3.のメンバーズサロンとは、年1回、全国数か所(自分の記憶では東京、名古屋、大阪、福岡あたりだったと思います)で開催される正規品を購入したメンバーだけのイベントで、その年の新作も含めて、ほとんど全てのモデルを実際に見たり、触ったりできるのです(その場での購入は不可)。さらにドリンクや簡単な軽食が無料で提供されており、メンバーである事の特別感を味わえるちょっと贅沢な時間なのです。

私は最近行けていないので残念ですが、時間が合えばまた行きたいイベントです。

●気になる価格は?

私がもっているコルトオートⅡは、現在はモデルチェンジしており、カタログモデルではありませんが、ブライトリングのシリーズの中ではお手頃なシリーズで、当時は30万円を切るくらいの価格でした。

それでもシンプルで飽きのこないデザインと、ちょうどいいサイズ感が好きで、ほとんど毎日付けています。

やっぱり、ずっしりと重みのあるこの時計をしていると、若干、背筋が伸びる気がするし、モチベーションも上がります。

ちなみにオーバーホールは3年程前に購入して10年たったので1回しています。

もちろん、ブライトリングと言えばナビタイマーと言うぐらい有名なナビタイマーラインや他のモデルも魅力的で、お金があれば欲しいのですが、いかんせん庶民が何本も持てるような代物ではありませんので、見るだけで我慢です。

●評価

 機能性   :★★★★☆

 ステータス性:★★★★☆

 見た目   :★★★★☆

 アフター  :★★★★★

 コスパ   :★★★★☆

機能性

時計としての機能は全く問題ありません。

ただ、最近ちょっとリザーブ性能(ネジを巻いてどれくらい時間を刻めるのかという性能)が落ちてきたような気がします。

ステータス性

個人的には十分ですが、本当のステータスを求める人はさらに高級ブランドを購入するでしょう。

そういう意味では、ブライトリングはそこまでステータス性の高いブランドではないのかもしれません。

ただ、会社ではよく「いい時計してますね」って声をかけられます。

見た目 

ブライトリングお得意のクロノグラフはついていないシンプルなデザインですが、それでいて重厚感があり、飽きのこない仕様ではないかと思っています。

アフター

ブライトリングのアフターサービスは上述したように充実しており、所有する喜びを得ることが出来ます。

コスパ

決して安い買い物ではありませんが、機械式時計の中ではちょっと安めなモデルである事を考えれば、コスパは高い方なのではないでしょうか?

●最後に

それにしても機械式時計を考えた人って天才ですよね!

電気の力を一切使わずに正確に時を刻むことができて、しかも自動巻きは振動を利用してずっと動き続けることができるなんて、ほとんど芸術です。

これからの時代、色々なモノがどんどん淘汰されていくでしょう。

でも、こういう技術が消えていくのは寂しいので、是非、各メーカーさんには頑張ってもらいたいし、若い人に少しでも興味を持ってもらえたらうれしいですね。

 

【おすすめ本】正しい怒り方を知りたい方におすすめの本をご紹介!

●「怒らない」選択法、「怒る」技術   苫米地英人

喜怒哀楽の感情の中で、もっともコントロールが難しい「怒る」という感情。

そこに焦点をあてて、脳科学的に「怒る」という感情にどうやって対応することが正しいのかを天才脳科学者 苫米地博士が教えてくれます。

本書では、「怒る」事は生理現象であり、我慢する必要はないが、正しい怒り方をしないとストレスが溜まりますよと言っています。

●本書の全体の流れ

では、早速本書のアウトラインを概観してみましょう。

  • なぜ正しく怒れないのか? 正しく怒る為の条件を知る
  • 怒る時に必要な「怒る技術」について知ろう
  • 怒りの感情をコントロールするメカニズムについて
  • 「怒り」の観点から外交等の諸問題について考えてみる

といった感じで話は進みます。

その中の一部について、私の所感も含めて紹介していきます。

●怒る為の条件とは?

間違った所で怒らないように、怒るための条件として以下の2つが挙げられています。

  1. 相手に過失があり、その過失によって自分が不利益を生じた場合
  2. その過失が予想外だった場合

1.は当然ですね。普通は1.の段階で怒っていると思います。

さて、問題は2.です。

「相手の過失が予想外だった場合」

これについての論理は、喜怒哀楽の感情とは、基本的に予想外の出来事が生じた時に発生するものであるとの定義から始まります。

要するに、予想通りの事が起こっても感情は大きく動かされないから、感情を大きく揺さぶる為のトリガーとして「予想外」というモノを定義しているわけですね。

なるほどです

だから、「怒り」の感情も例外ではなく、相手の過失が予想外の時にだけ生じさせる事が、生態的に正しい「怒り」なんだという事です。

ただし、ここでよく勘違いしてしまいそうなのが「期待」です。

「予想」と「期待」とは違うものだということに注意しなければなりません。

「期待」とは勝手なこちらの思い込みであり、「予想」とは様々な情報から論理的にはじき出すモノだからです。

だから、「期待外れ」だから「怒る」というのは間違った「怒り」だということです。

●正しく「怒る」為には?

さて、怒る条件は整いました。

が、「怒る」技術がなければ戦えません。

正しく怒り、そしてこの戦いに勝利する為には、何に気を付けなければいけないのか?

それは、言葉です。

怒りで感情優位になりがちな状態の脳に対し、前頭前野はフルに働かせて、相手の弱点を見つけ、そこをどうやって攻め崩すのかを思考しなければならない。

そして、その思考を言葉に乗せて相手にぶつけるのです。

本書ではそのトレーニングに格闘技をおすすめされています。

格闘技では、直接ボディコンタクトが生じることが多いので、特に初心者では頭に血が上りやすく、冷静に反撃できない状況が多々見られます。

そんな中で相手に攻められても、冷静に相手の動きを捉えて反撃の手段を思考する。

そこには色々な手があるはずなのに、感情的になるとその使えるはずの手が見えなくなってしまう。

そんな状況を経験できる格闘技はよいトレーニングになるということです。

自分も長年柔道を経験しているので、この状況はよくわかります。

相手の攻撃による感情の動きだけではなく、疲労によっても情動優位となって、論理的思考がしにくくなる場面は多々あります。

そこで冷静になって、使える手を模索できる時は調子がいい時なのでしょう。

世界レベルの試合を見ていても、トップレベルの選手は、あんな大舞台でもどこか冷静に試合を運んでいるように見えます。

●常識は常に疑え!

「信用を得るのは難しいが、信用を失うのは一瞬だ」

このような文言はよく聞きます。

いわゆる、常識のように言われている言葉です。

しかし、本当に正しいのでしょうか?

本書ではこんな例が挙げられています。

本当に信用を得るのが難しいならば、TV出演していた人が国会議員等にうかりやすいのは何故か?

信用なんていうのは意外とそんなものなのではないのか?

その人の政治信条などを詳しくしらなくても、TVに出ていたから何となく信用して、何となく投票しているのではないのか?

また、本当に信用を失うのは一瞬か?

一瞬で信用を失うような相手とは本当の信用など築けていないのではないのか?

本当の信頼関係があれば一度のミスで信用がなくなるような事はないのではないのか?

ここに関しては賛否両論あるかと思います。

しかし、「疑ってみる」という訓練にはよい題材かもしれません。

自分としては、「信用」という言葉の定義次第なのかな?と思ったります。

要するに信用とは幅のあるものであり、絶対的な信頼関係からビジネス上の軽い信用までを一緒に議論すると答えを見つけられなくなってしまうのではないかと思います。

でも、そうやって常識を疑ってみる事で、論点を自分で整理することができるのです。

●読み終わって

簡単に概要を追ってみましたが、「怒る」ことに悩んでいる方は、会社員の方だけでなく、子供に対する母親であっても一読すると新しい視点を与えてもらえるかもしれません。

本書の最後の方では、論点が、「怒り」の矛先が個人レベルではなく、国家レベルの話になっていて、最初の趣旨から若干外れかかっているような所もありましたが、それはそれでおもしろい内容でした。

自分もこの本を読んでから、若干、怒る事に対して冷静にみられるようになったと思います。

 

新社会人へのプレゼントにおすすめの名刺入れをご紹介

名刺入れを持つようになると

「大人になったなぁ~」

と感じるのではないでしょうか?

だから、社会人になって初めて買うって人も多いと思います。

そんな新社会人などへのプレゼントにおすすめの名刺入れを紹介します。

「CORBO face Bridle Leather シリーズ 名刺入れ」

corbo.co.jp

このface Bridle Leatherシリーズは、高級なブライドルレザーを使用しており、CORBOの中では高級な方のシリーズになります。

なので、ブライドルレザーが欲しいけど高いから手が出ないっていう人には、手頃な価格で手に入る名刺入れがおすすめです。

特に新社会人は初めて名刺を手にする方も多いのではないでしょうか?

そんな方へのプレゼントには最適なモノだと思います。

このブライドルレザーの素晴らしい所は、革の質感。

比較的買った当初から革に光沢があります。

前に紹介したスレートシリーズの革と比べると、買った初期の堅さは少ない感じです。

逆に革のメンテナンスによる成長・変化を楽しみたいという方には向かないかもしれません。

というのも、4年使って革の表情の変化が他のアイテムよりも一番少ないです。

それだけ安定しているとも言えるかもしれません。

●現物写真

それでは、私のモノを見ていきましょう。

まずは正面から

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色は、ダークグリーンです。

他のアイテムが無難な色を選択していたので、名刺入れくらいは思い切った色を選択してみました。

でも、全然違和感ないです。

 

次は、開けたところ。

開けると正面にCORBOの烙印が目に飛び込んできます。

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最後に名刺を入れるところ

マチがついていて、そこそこの枚数入ります。

公式には40~50枚程度入るようですが、そこまで入れるとパンパンになってしまうので、自分は大体10~20枚程度入れて、違うポケットにカード等を入れてます。

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いかがでしたでしょうか?

こういった、ちょっとした小物に少しこだわりをもったアイテムを持っていると、モチベーションも上がる気がします。

新社会人だけでなく、彼氏や旦那さんへのプレゼントにも是非ご一考いただきたい一品ですね。